忍者ブログ
更新情報(18)     おへんじ(17)     未選択(41)     習作(23)    
  2024/11  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30   
::11.25
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

::08.18   comment (0)

個人的に左側の人同士の食い合いというか、牽制のしあいというか、そういうのが大好きです。
一歩引いた方が食われる的な。
ぎりっぎりの駆け引きみたいなのが好き。
受け同士のにゃんこらにゃんも悪くないけど、攻めの殺伐とした戦いがたまらない!
などと考えていたら書きたくなってしまいましたので、佐助と付き合う前の小十郎さんと集金にきた綱元さんというおもしろキャスティングでお送りします。
もちろん本番なんてありません。
どっちもがどっちもを押し倒してみたいだけです。
3年前はプレイヤーこじゅvsチンピラつなもとと言う事がしょっちゅう繰り広げられていたと思います。

続きからどうぞ。





からりとドアベルが乾いた音を立て、鬼庭の良く磨き込まれた靴が眩しいスポットライトを反射する。
いつもならカウンターの内側で鬼庭の訪問を待っている小十郎の姿はそこにはない。
ぐるりとホールを見回せば、1番手前のボックス席のソファの背に小十郎の物らしいスーツのジャケットが放り出されている。
静かにそこへ近づき、覗き込んだソファの上で、小十郎が眠っていた。
珍しいこともあったもんだと僅かに目を瞠った鬼庭はクスリと笑ってソファの前へと回り込む。
人の寝顔は2歳若く見えるというが、それでもなお実年齢よりは年嵩に見えているのだろうか。
思ったより鬼庭は小十郎のことを知らない。
だが、それは互いが付き合って行く上で必要のない情報であるとも言える。
決して短いわけではない付き合いの中で、小十郎の人となりは理解しているつもりだし、信頼に足る人物だとも思っている。
大箱とも言えるホストクラブの少なくはないホストたちを纏めている男なのだから、面倒見も悪くない。
その分気苦労が絶えないのか、いつも眉間に刻まれている皺が彼の立場の重さを物語っている。
しかし、眠っている今、その眉間の皺もなりを潜め、ただ整ったいかつい顔が穏やかに寝息を立てるばかりだ。
小十郎の顔などまじまじと見たことはなかったが、なるほど、過去に2000万プレイヤーと呼ばれた男だ。
精悍だが綺麗な顔をしている。
ふふ、と小さく笑って器用にソファの隙間に乗り上げた鬼庭の左手がきちりとまとめ上げられた前髪からはぐれた髪をさらりとどける。
小さなうめき声を上げて、小十郎はその双眸を開いた。
「…なにしてやがる。」
「いえ、久しぶりに素敵なタイミングで来てしまったものですから」
つい、と悪びれた様子もなく綺麗に笑ってみせた鬼庭に、小十郎はそれまでなかった眉間の皺を復活させる。
ああもったいないと心中に呟いた鬼庭はしかし、その体勢から退く事はしない。
「意外と起きないものなんですね。」
「…いつからいたんだ。」
「さあ?」
くすくすと楽しげに笑いながら小十郎の鼻先で首を傾げる鬼庭の唇がゆっくりと小十郎のよく通った鼻梁を撫でる。
起き上がろうにも鬼庭を振り落としてはテーブルの上に準備されているグラスを割る事になるかと考えて身動きの取れない小十郎の肉厚の唇を、鬼庭の指先が楽しそうに撫でている。
「いい加減降りたらどうだ。」
「だって、あんなに無防備な顔見せられちゃ何もしないわけにはいかないでしょう?」
「普通は何もしねえもんだろ。いいからどけ。」
「一発ヤラせてくれたら考えますかね。」
「お断りだ。だいたい俺なんかで勃つのか?」
「意外とオールマイティーですよ、俺は。」
言いながらしっかりと小十郎の足の間に膝を割り込ませる鬼庭はどこまで本気なのかが全くわからない。
「ぼっちゃんは?」
「あなたと俺が喋らなきゃいいだけでしょ。それに、そんなことで怒られるほど俺は不真面目じゃないですから。」
「自分で言うヤツほど信用ならねえヤツはいねえな。」
寝起きでうっかり反応してしまいそうな下腹部に力を入れてどうにかやり過ごそうと考えていたが、小十郎の上でニヤニヤと下衆な笑い方をしている鬼庭は増長するばかりだ。
「ま、キスくらいはいただきますけど。」
そう言って小十郎が答える前に唇を塞がれる。
強請るように唇を舌先がなぞり、何の反応も返さない小十郎など気にした様子もなく熱い舌先を口の中に押し込んでくる。
鬼庭の指先が小十郎の手をソファに押し付けるようにして握り締める。
今こうなっている相手が鬼庭だと言うことに関してはさほど不満もないが、やはりやられっぱなしというのはどうにも居心地が悪い。
右手に絡まる鬼庭の指先を振り解き、形のいい鬼庭の後頭部を引き寄せる。
好きなようにさせていた舌を絡めとり、鬼庭がひるんだ一瞬で鬼庭の細い体を自分の体の下に抱き込んだ。
「あれ、やる気になりました?」
濡れた音を立てて唇を離した小十郎に、鬼庭が腫れた唇で笑った。
「やられっぱなしじゃプライドがな。」
「俺も掘られるつもりはないんですけどね。」
「それじゃあ交渉決裂だな。」
そう言って体を起こした小十郎はさっさとソファを降りてカウンターへと向かう。
ソファの上に肘をついて半身を起こした鬼庭はそれは残念だと舌を出して肩を竦めた。
「集金だろ。さっさと持ってけ。」
「ええ。払えないなら小十郎の体でもいいんですけど。」
「払えなくなったら考えるが、今のところそんな予定はねえな。」
「でしょうね。」
スツールに移動した鬼庭が札を弾く指先を眺める小十郎はまだ眠たいのかあくびを噛み殺している。
そのまま煙草を探そうとして、ジャケットを脱いでいる事に気付いたらしい小十郎がカウンターを出てソファに置き去りになっているそれを取りにいく。
その間に札を数え終わったらしい鬼庭はいつも通り内ポケットから領収書を出してスツールから立ち上がった。
「おい。」
「はい?」
振り返った鬼庭の顎を横から掠めるようにして掴み、その薄い唇に噛み付くように口付ける。
さっきまでよりも派手な音を立てて互いの舌を絡ませたふたりは短く湿った吐息と共に唇を離した。
「…キスは、悪くないですね。」
ふふ、と余裕を滲ませた顔で笑った鬼庭はそれじゃあ、と言っていつも通りに出て行った。
ひとり店内に残った小十郎はジャケットから探し出した煙草の箱から中身を咥えて火を点ける。
ゆっくりと煙を吐き出す小十郎の唇が困ったように笑みをかたどった。
「テメェのキスも悪くねえ。」

End


とりあえずのキス合戦。
主導権が握れないとお互いに弱い。そんなかんじ。
でもこのふたりがどうこうなるところはあまり想像したくないですね。
個人的にこじゅは左側にいて欲しいからちょっと綱元さんが右っぽいしこれ・・・無意識に右っぽいし・・・
よくよく考えたらウチの受け子さんたちは受け受けしくないのでそもそもが食い合っているイメージだったかもしれないと書き終わって思うのでした。
佐助と成実のおばかコンビがオイタして彼氏も容認してたらいいと思う。
佐助「ねーねーちょっとやらせてよ」
成実「あ?俺気持ちよくないの嫌なんだけど」
佐助「まあまあ、俺様結構テクニシャンよ?」
とかいいながら戯れてるところをうっかり目撃しちゃったふたりが扉の向こうで
綱元「悪くないですね」
小十郎「確かに悪くねえ」
とかやってればいいと思うんですけどどうでしょう。

本編もがんばるよー。
PR
comment to this article
name
color
URL
text
pass    
prev  home  next
忍者ブログ  [PR]

(design by 山瀬)