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::12.06   comment (0)



HDを整理してたらものすごくデキた土沖が出てきたので
投下しておきます。
ばさらじゃなくてすみませ・・・


※沖田がくそビッチで土方さんがおそろしく鬼畜です。
愛のかけらもなくただ破廉恥ネタなので苦手な方はお戻りくだされー!!















「ねぇ、土方さん。」
まだ終わらないんですか、それ。と、沖田は面倒臭そうに土方の走らせる筆に視線を投げた。
時刻はすでに夜半を回り、障子を透ける月光が恐ろしいほどに漂白されて畳の目に影を作っていた。
文机のそばに置かれた行燈の明かりが僅かに揺らぎ、土方がきりと鋭いまなこで沖田を睨みつける。
沖田は自分から話題を提示しておきながら既に興味はないとでも言いたげに己の手首に見入っている。
くるくるとら包帯を外した手首に根付く生と剣への執着。
未練がましくかさぶたと成り果てたそれを忌ま忌ましげに眺める横顔は張り詰めた弓の弦のように月光に冴えた。
短く切りそろえた爪が治りかけて醜悪な様を呈したかさぶたを無造作に引き剥がす。
「あ、」
一筋剥がれたかさぶたを畳の上にそっと置いた沖田の手が次のかさぶたに指先を伸ばすのと、土方の細い指先が沖田の骨ばった手首を掴むのはほぼ同時であった。
間抜けて口を開けた沖田の声はどこか興醒めして乾く。

「放してくださいよ。」
「痕になるっていっつも言ってんだろ。」

構いやしませんよ、沖田は無感情に開いた眼窩で土方を見上げる。
その空虚に土方の背がわずか慄く。
沖田の静止した微笑がひどく恐ろしい物のように見えた土方は畳についていた膝を胡坐に崩す。
土方の膝が微かに震えたことに沖田は気付かない。
半ば強引に振りほどくように土方の手から抜け出した沖田の白い指先がまた一枚かさぶたを剥がす。
ぴり、と走った痛みに眉も寄せず、治り切らなかったらしい傷からぷつりと紅玉が染み出すのをぼんやりと眺めている。
見ている土方の眉根が寄り、日頃から険しい表情がさらに厳しくなる。
ざわざわと風に庭木が揺れた。

「言わんこっちゃねぇ…」
「舐めてれば治りますよ。」

ざり、と毛繕いをする猫のように沖田のちいさな舌が腕を滑る血液を舐める。
気だるげな女郎のように崩した格好と相まって、その行為は恐ろしいほど淫靡に色を匂わせた。
土方の細い喉仏が少しだけ上下したのを目聡く見つけた沖田はくつくつと喉を鳴らし、土方の肩にすり寄った。

「まさか、血に欲情した、なんて言いませんよね…?」

悪戯っぽく口角を吊り上げた沖田の唇が僅かに裂けて整った歯列が真白く覗くのを土方は汚いものでも見るようにして見下ろす。
その蔑むようでいて切なげな視線がお預けを喰らいつづけて燻り続けていた劣情に確たる炎を灯す。



「その目、たまんないなぁ。」



血の色を映した舌が唇を舐め、物欲しげに指先をねぶる。
止まらない血が沖田の生白い病人の腕を滑り落ちて尖った肘の先から滴り、土方の袴を汚した。

「総司、テメェはいい加減に寝ろ。」
「今夜一晩愛してくれたらそれでいいって言ってるのに…土方さんって意外と薄情なんですね。」
「…俺は好いた奴としかしねぇだけだ。」

土方は小さく言って沖田が凭れているのも構わずに立ち上がった。
その声に自分に言い含める色を認めた沖田の口許に笑みが浮かぶ。
凭れたままだった沖田の体は傾ぎ、咄嗟に出した左手は畳を汚した。
刺々しく背を向けて執務を再開した土方の背中を眺め、短く息を吐き出した沖田は畳が汚れるのも構わずにそのままずるずると畳の上を這い、土方の背中に凭れかかる。
冷えた羽織の肩に頬を寄せればどれほどまでに己が欲情していたのかを思い知らされるようで沖田は小さな嘲笑をこぼした。
緩慢な動作で土方の首に腕を回した沖田は紅を差したように紅い唇を土方の形のいい耳に寄せて呟いた。





「そんな建前より、アナタが欲しいんですよ。僕は。」




















短い髪を畳の上に乱す沖田は言葉通り快感に貪欲であった。
あられもない声を恥ずかしげもなく上げて土方を求める様は貪婪を具現化したように凄艶で。
その前髪を掴み、土方が首筋にかみつけばゆるりと三日月に目元を歪めて満足げに息を吐く。
建前をかなぐり捨て、優しさの欠片もなく沖田を抱く土方の腕が沖田の痩躯を抱きしめることはない。
さりとて沖田はそれでいいと思っていた。
蜂蜜の中に溶かされる様にゆるゆると甘く原田に抱かれるのも、欲にぎらつくまなこに詰られながら永倉に激しく求められるのもイイ。
しかし沖田は優しさどころか何の感情も籠らない、己を蔑みながら抱く土方が好きだった。
冷やかな侮蔑の視線に晒されてなお熱を求める己の貪欲さこそが生の証の様でさえあるその瞬間が。
氷のように冷たい指先が限界まで張りつめた沖田の琴線を乱暴に撫でるのさえ沖田には快感で。
「あ、…ね、ひじかた、さ…もっ、と…」
「黙ってろよ。」
強請れば沖田とは驚くほどに温度差のある声が冷やかに掛けられる。
熱に腐食する体を雪の中に放り込まれるような錯覚。蜃気楼は未だ沖田を捕えて離さない。
それは掌から零れ落ちた椿の首のようにくるくると意識が跳ねまわる極上。
澄ました顔で坐す鬼の副長の仮面をむしり取って嗜虐に爛々と輝く眸を愛でる優越。
この行為に愛情など求めない沖田はしかし、土方の横暴で手前勝手な貪るような情事を手放せずにもっともっとと求める。
幾度抱かれようとも満たされないのは、乾いて枯れたこの関係の終着点を見つけることができないせいなのかそれとも。
沖田はそう考えて視線を伏せた。
随分と余裕じゃねぇかと土方が最奥を抉る。
いつもより深いそれがどこか嫉妬のようで沖田は偽りの歓喜に喘ぐ。
土方もそれを知りながら騙されるふりでおざなりに口角を上げて嗤って見せた。
沖田の折れそうな手首を掴む土方の指先がかさぶたの剥がれた傷を抉る。
痛みに眉尻を下げた沖田はさりとて満更でもなさそうに喘ぐ。土方の鼓動が跳ねた。
脳の奥が快感に白み、誰に抱かれているのかも分からなくなり始めた沖田の剥き出しの感覚神経を鷲掴みにして揺さぶる。
だらしなく開いた薄い唇から零れるのは透明な涎と、もはや意味をなさない悲痛な嬌声だけ。
涙と精液と涎と汗と、あらゆる体液にまみれて動物のようにまぐわう沖田の細い足首がひくりと痙攣した。
艶めいた嬌声は消えて無様に生を貪る引き攣れた呼吸音にすり替わる。



「なぁ総司、」



筋張った華奢な首筋、丁度頸動脈のあたりを押さえつけられて沖田は水を失った金魚のように口を開ける。
翡翠のまなこは涙の膜でぼやけた視界に長い結い髪を振り乱した夜叉を見た。
薄く開いた土方の唇から犬歯が覗き、あかい唇は歪に笑んだ。





「、…俺に殺されろよ。」





土方の雄が埋まる後孔がひくりと締まるのを感じて土方は一層凶悪に零度の双眸を三日月に歪めた。

跡形もなく綺麗さっぱり殺してやるからよ。

耳元に寄せられた唇が傲慢に嘯くのを意識の最期に捉えて沖田は果てた。
誰の記憶にも遺らず、生きた証さえも残さない死に様を思う沖田は白む思考にそれもいいと考える。
土方に殺されたならあの人の記憶からも消えることが出来るだろうか。
そんなことを考える沖田は、跡形もなく殺してくれるなら誰でもいいと痺れる指先で背中に縋った。
ぽろり、閉じた眸から落ちた一筋の涙を残して。



End

本能と理性、どちらが勝るものか。




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